Kikkawa, Hideki
Tokyo National Research Institute for Cultural Properties (Tobunken). Researcher

明治期~昭和期刊行博覧会・展覧会資料のオープン・アクセス化事業
The project to make Japanese exposition and exhibition materials published from the Meiji to the Showa open access

東京文化財研究所は、2016年2月にゲッティ研究所(米国、ロサンゼルス)と取り交わした日本美術の共同研究に関する協定書に基づき、現在、明治・大正・昭和戦前期博覧会・展覧会資料のデジタル化、オンライン公開、および美術史分野の電子リソースへのアクセスプラットフォーム「ゲッティ・リサーチ・ポータル」への掲載の準備を進めている。対象資料は、当研究所が『日本美術年鑑』編纂事業、明治大正美術史編纂事業などを取り組むなかで収集してきたものであり、近代以降の日本美術研究、とりわけ欧米における日本美術・文化財受容に関する研究、あるいは美術家の経歴調査を遂行するうえでも、必須の基礎資料である。これまでもこれらの資料の重要性は認知されており、今回のオープン・アクセス化は、国内外の日本近現代美術史研究者にとって待望のものであるといえる。本発表では、1)日本の博覧会・展覧会資料の概要、2)日本における博覧会・展覧会資料の共有と公開の歴史、3)この事業によって実現する研究環境を具体的に示し、その意義について報告する。